デュタステリドの作用成分

デュタステリドは、男性型脱毛症(AGA)の治療薬です。
デュタステリドはAGA発症の原因である「5αリダクターゼ」を阻害する作用をもっています。

AGAの原因を阻害して症状を改善

AGAの発症・進行には、「5αリダクターゼ」と呼ばれる体内酵素が深くかかわっています。AGA発症のメカニズムは次の通りです。

  • 前頭部や頭頂部にある5αリダクターゼが、男性ホルモン「テストステロン」と結びつく
  • テストステロンがジヒドロテストステロン(DHT)に変換される
  • DHTが男性ホルモンレセプターに取り込まれて脱毛因子が増加
  • 脱毛因子が毛乳頭や毛母細胞へ脱毛の信号を送る
  • 通常2~6年あるヘアサイクルを数ヶ月~1年に短縮させる
  • ヘアサイクルの乱れにより毛髪が減少し、生え際の後退や頭頂部の密度低下を引き起こす

この過程の中で、デュタステリドはAGAの発症要因である5αリダクターゼを阻害し、DHTの生成を妨げます。ヘアサイクルが乱れるのを防ぐため、結果としてAGAの進行を抑制し、改善効果が期待できる仕組みです。

デュタステリドの効果

デュタステリドの主な効果は、5αリダクターゼの阻害です。AGAの発症のきっかけとなる「DHT」の生成を妨げ、薄毛の進行を抑制します。

おでこの生え際からM字型に薄毛が進行したり、頭頂部からO字型に薄毛が進行したりする場合は、主にAGAが原因とされています。おでこの生え際や頭頂部の薄毛に悩んでいる方は、デュタステリドを服用することで症状が改善されることが多いです。

また、デュタステリドは薄毛の進行を食い止めるだけでなく、発毛・育毛を促す効果も期待されています。

ご費用

デュタステリド8980円/30錠

デュタステリドの副作用

デュタステリドには、主に以下の副作用が報告されています。

重大な副作用肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
その他の副作用1%以上:性機能不全(リビドー減退・勃起不全・射精障害)1%未満:発疹、頭痛、抑うつ気分、乳房障害(女性化乳房、乳頭痛など)頻度不明:脱毛症、蕁麻疹、脱毛症、腹痛、下痢、倦怠感
(参考:医療用医薬品:デュタステリド

このように、発生確率は低いものの、性欲減退や勃起不全といった男性機能の低下が報告されています。副作用は一時的なものであり、服用を中止してしばらくすると消失するケースが多いです。胎児や母体への影響はほとんどないとされていますが、子作りを希望している方は服用を控えた方が良いです。

また、重大な副作用として肝機能障害が報告されています。発熱や吐き気、黄疸の症状があらわれた場合はただちに服用を中止し、医師の診察を受けてください。デュタステリドは肝臓で代謝されるため、すでに肝機能障害のある方は服用できません。

なお、報告されている副作用には脱毛症も含まれています。これは主に「初期脱毛」と呼ばれるもので、服用を始めた頃に一時的に抜け毛が増える現象です。多くは1~3ヶ月でおさまるため、初期脱毛が見られても様子を見ながら服用を継続するのが一般的です。

副 作 用

デュタステリドを服用する上での注意点は以下の通りです。

解説解説
肝臓に持病があるときは医師に相談するデュタステリドは肝臓で代謝されるため、肝機能障害などを患っている方は副作用が強く出る可能性があります。
PSA(血清前立腺特異抗原)検査を受けるときは事前に伝える前立腺がんの診断に用いられるPSA検査では、デュタステリドが数値に影響を及ぼす可能性があります。
女性や子どもはカプセルに直接触れない女性や子どものデュタステリド服用は危険です。薬剤は経皮吸収されるため、直接手の触れない場所で保管しましょう。
用法用量を守り、2回分同時に服用しないデュタステリドは基本的に1日に1回、1錠を服用し、飲み忘れても同時に服用しないでください。
服用中および服用後6ヶ月間は献血をしないデュタステリドは、血中濃度の半減期が3~5週間と長い医薬品です。献血者に影響を与えるため、服用中止後は血中濃度が下がるまで献血できません。

その他、体質や持病で不安な点がありましたら、お近くの医療機関で相談してみましょう。

デュタステリドとミノキシジルとの併用で発毛を促す

AGA治療の効果を高めるために、デュタステリドとミノキシジルを併用する場合があります。ミノキシジルは、毛母細胞や毛乳頭細胞を活性化させ、発毛や育毛を促すための薬です。市販の育毛剤にも配合されているなど、脱毛症の治療薬として広く普及しています。

デュタステリドとミノキシジルは作用機序が異なるため、併用によって副作用が強まるリスクがなく、同時に服用しても問題ありません。また、デュタステリド単体よりも高い発毛効果を期待できることから、クリニックの多くが併用を推奨しています。