
AGAとは
AGA(エージーエー)とは、Androgenetic Alopeciaの略で「男性型脱毛症」の意味です。成人男性によくみられる髪が薄くなる状態のことです。思春期以降に額の生え際や頭頂部の髪が、どちらか一方、または双方から薄くなっていきます。一般的に遺伝や男性ホルモンの影響などが主な原因と考えられています。抜け毛が進行し、うす毛が目立つようになります。
AGAが起こるメカニズム
AGAには男性ホルモンが関わっています。男性ホルモンである「テストステロン」は、毛根にある「5αリダクターゼ」という酵素によって「ジヒドロテストステロン(DHT)」に変えられます。髪の毛の産生と成長の場所は、毛根にある「毛乳頭」という部分ですが、DHTが毛乳頭にある男性ホルモン受容体に結合すると、髪の毛の産生と成長を止めるように働きます。それによってAGAが起こります。DHTが結合する男性ホルモン受容体は前頭部から頭頂部の毛根にあり、側頭部、後頭部の毛根にはほとんどありません。そのため、AGAは前頭部から頭頂部にかけて薄毛が起こります。
正常なヘアサイクル

正常な髪の毛は、以下のようなヘアサイクルを繰り返しています。毛周期とは、髪が生えて抜け落ち、再び生えてくる周期のことです。
毛周期は、毛1本ずつ異なります。ヘアサイクルは、男性が3~5年、女性が4~6年が1サイクルといわれています。それでは、毛周期を構成する3つの段階を詳しくご紹介します。
成 長 期
成長期とは、髪が成長する段階のことです。髪は、毛母細胞が分裂することで生成されます。この毛母細胞の分裂が活発なため、髪がどんどん成長するのです。成長期の髪は全体の85~90%とされています。また、髪は1日0.3~0.4mm成長し、1年で約15cm伸びます。
退 行 期
退行期は、成長期の次の段階です。毛母細胞の分裂には、毛乳頭細胞からの指令や栄養の供給が欠かせません。この毛乳頭細胞の働きが低下すると、髪が成長しづらくなります。退行期では、毛乳頭細胞が毛母細胞から離れます。
離れることで指令や栄養の供給が弱まり、髪の成長が遅くなるのです。退行期は2~3週間で、髪全体の約1%を占めます。
休 止 期
休止期は、髪の成長が完全に止まった状態です。毛乳頭細胞が縮小して指令や栄養の供給が止まります。これが2~3ヶ月続くとされています。休止期の髪が占める割合は全体の10~20%です。
やがて、成長期へと進み、毛乳頭細胞が活動を再開すると、新しい毛が古い毛を押し出すように生えてきて、古い毛が自然に抜けます。
AGAのヘアサイクル
AGAは、毛周期を乱す大きな原因の1つです。男性ホルモンのテストステロンが頭皮に分布する5αリダクターゼという酵素と結合し、ジヒドロテストステロンになることが発症に関係しています。
ジヒドロテストステロンは、毛乳頭細胞の男性ホルモン受容体に取り込まれ、脱毛シグナルを発信して、毛周期のうち成長期を短縮させるのです。成長期が短縮されると、退行期へと早くに移行して、成長が遅くなります。
その結果、十分に育っていない髪が増えて、その部分が薄毛になるのです。AGAは放置すると進行する可能性があるため、できるだけ早く対処する必要があります。睡眠不足や栄養不足、ストレスなどによるヘアサイクルの乱れは、それぞれ自分で対処することが可能です。
しかし、ジヒドロテストステロンが生成される問題については、自分では対処できません。
当院で処方しているザガーロ(デュタステリド)の主な効果は、5αリダクターゼの阻害です。AGAの発症のきっかけとなる「DHT」の生成を妨げ、薄毛の進行を抑制します。
クリニックを受診して、ザガーロで対処する必要があります。また、薬は1回きりではなく、継続的に飲むことでAGAの進行抑制が期待できるため、根気よく治療を続ける必要があります。
当院で処方できる治療薬
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AGA治療は保険適用外の
ため全額自己負担
AGAは、命に関わる病気ではないという理由から保険は適用にならず、治療費は全額自己負担となります。
当クリニックでは、ジェネリック医薬品から正規治療薬まで取り扱っているので、費用面で気になる点がありましたらお気軽にご相談ください。