尿路結石について。泌尿器科専門医が解説。

こんにちは。中目黒ブロッサムクリニックです。本日は、「尿路結石」について詳しくご説明いたします。この疾患は突然の激しい痛みを伴うことが多く、非常に辛い症状を引き起こします。尿路結石は早期発見と適切な予防・治療が重要ですので、この記事を通じて皆さんに役立つ情報をお届けします。

尿路結石とは、尿中の成分が固まって石のような結晶となり、腎臓や尿管、膀胱、尿道などの尿路に詰まることで生じる病気です。石の大きさや場所によって症状が異なり、小さな結石であれば無症状で自然排出されることもありますが、大きな結石になると、強い痛みや血尿などの症状を引き起こします。

尿路結石の原因は様々ですが、以下の要因が主な原因とされています。

  • 水分摂取不足: 水分が不足すると尿が濃縮され、結石が形成されやすくなります。
  • 食生活の影響: 動物性タンパク質や塩分、シュウ酸を多く含む食品の過剰摂取が結石の形成を促進します。
  • 遺伝的要因: 家族に尿路結石の既往がある場合、発症リスクが高まります。
  • 代謝異常: 体内のカルシウムや尿酸の代謝に異常がある場合、結石が形成されやすくなります。
  • 他の疾患の影響: 例えば、痛風や肥満などの疾患も尿路結石のリスクを高めます。尿管結石は生活習慣病の一つとも言われています。

尿路結石を予防するためには、以下のポイントを押さえておくことが重要です。

  • 十分な水分摂取: 毎日1.5~2リットルの水を飲むことで、尿を薄め、結石の形成を予防できます。
  • バランスの取れた食事: 野菜や果物を多く摂り、動物性タンパク質や塩分の摂取を控えめにすることで、結石リスクを減らせます。
  • 適度な運動: 適度な運動は、代謝を活発にし、結石の形成を防ぎます。
  • 定期的な健康診断: 結石が形成されやすい体質の方は、定期的に泌尿器科で検査を受けることをお勧めします。

尿路結石の治療方法は、結石の大きさや位置、症状の程度によって異なります。

  1. 経過観察: 小さな結石(1cm以内が目安)で症状が軽い場合、自然排出を期待して経過観察することがあります。
  2. 薬物療法: 結石の成分に応じて、溶解を促進する薬物を使用することがあります。ただし、一番多くの割合を占めるシュウ酸カルシウム結石は薬物で溶かすことはできません。現在の医療では、溶かせるようになったら画期的な発明になります。
  3. 体外衝撃波結石破砕術(ESWL): 結石を破砕し、体外へ排出しやすくする治療法です。外科的手術を避けたい方に適しています。しかしながら、結石の位置や大きさにより利用が難しいことも多く、下記の内視鏡手術が進歩していることから最近では選択されることが少なくなってきています。
  4. 内視鏡手術: 現在、結石治療の第一選択となります。内視鏡の機能、解像度が格段に進歩したことから、実際に内視鏡で石を見て、レーザーを用いて結石を砕き、回収する手術が一般的になりつつあります。芸術的なレベルで砕石を行っている先生の手術動画は見ていて爽快感すらあります。多くの場合はTUL(経尿道的尿路結石砕石術)、つまり尿道経由での内視鏡挿入が行われます。特に大きい腎結石や、個数が多い場合にはPNL(経皮的腎結石砕石術)や、TULとPNLを組み合わせたECIRSといった超人技を用いて砕石します。このあたりの複雑な手術が必要な場合には、当院から信頼できる医療機関への紹介を行います。
  5. 開腹手術: まれに、結石が非常に大きい場合や他の治療が効果を示さない場合に、開腹手術が必要となることがあります。

尿路結石は、予防と早期治療が重要な疾患です。痛みや違和感を感じたら、すぐに医師の診察を受けることが大切です。当院「中目黒ブロッサムクリニック」では、尿路結石に対する検査や治療を専門的に行っております。中目黒近辺にお住まいの方は、どうぞお気軽にご相談ください。早期発見と適切な治療で、健康な日々をサポートいたします。

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