夜尿症とミニリンメルト

夜尿症とは?
夜尿症とは、5歳以上の子供が夜間に無意識におねしょをしてしまう状態を指します。この症状が月に1回以上、3ヶ月以上継続して見られる場合に夜尿症と診断されます。夜尿症は、成長に伴い自然に改善することもありますが、5歳児の約20%が経験し、10歳では約5%、15歳では約1%の子供に残ると言われています。
多くの場合、夜尿症は成長とともに改善しますが、学齢期に達しても症状が続く場合、心理的な負担や生活の質に影響を及ぼすことがあります。そのため、適切なタイミングでの治療が求められることがあります。
夜尿症の原因
夜尿症の原因は、多くの場合いくつかの要因が複合的に関与しています。主な原因は以下の通りです。
- 抗利尿ホルモンの分泌不足: 夜間の尿量を抑えるホルモン(バソプレシン)が不足すると、夜間に尿が多く作られ夜尿が発生します。
- 膀胱の発達未熟: 膀胱の容量が小さい、または機能が未熟な場合、尿を十分に溜められず夜尿が起きることがあります。
- 遺伝的要因: 両親のどちらかが夜尿症を経験している場合、その子供も発症しやすい傾向があります。
- 覚醒障害: 深い眠りに入りやすい子供は、尿意があっても目が覚めないことがあります。
- その他の要因: ストレスや生活環境の変化、便秘なども夜尿症を引き起こす要因となります。
夜尿症の治療タイミングはいつ?
夜尿症の治療を開始するタイミングは、年齢や夜尿の頻度、心理的な影響などを考慮して判断されます。
治療を始める目安
- 5歳以降も月1回以上の夜尿が続く場合
- 学校での宿泊行事やお泊まり会を控え、本人が夜尿を気にしている場合
- 夜尿が週に2回以上ある場合
治療を早めに始めることで、より早い症状の改善が期待されます。
ミニリンメルトとは?
ミニリンメルトは、夜尿症治療のために使用される薬で、抗利尿ホルモン(デスモプレシン)を補い、夜間の尿量を抑える働きをします。特に夜間多尿型の夜尿症に対して効果的です。
ミニリンメルトの特徴
- 舌下錠タイプ:水なしで服用でき、子供でも簡単に服用可能です。
- 夜間の尿量を減少:抗利尿ホルモンの作用を補い、夜間の尿量を抑えます。
- 短期間での効果:早期に効果が実感されることが多いです。
ミニリンメルトのメカニズム
ミニリンメルトの有効成分であるデスモプレシンは、腎臓に作用して水分の再吸収を促進し、尿量を減らす仕組みです。
- 腎臓での水分再吸収: 腎臓の集合管にある受容体に作用し、水分を再吸収させます。
- 尿量の減少: 再吸収された水分により、夜間に作られる尿量が減少します。
ミニリンメルトと夜尿症の治療
ミニリンメルトは、適切に使用することで夜尿症の症状を効果的に改善します。
使用方法と水分制限
ミニリンメルトは、就寝前に服用します。服用の2〜3時間前から翌朝までの間は水分制限が必要です。水分を摂りすぎると、低ナトリウム血症のリスクが高まるため注意が必要です。
まとめ
夜尿症は、成長とともに改善する場合もありますが、治療を受けることで早期の改善が期待できます。特に夜尿が心理的負担となっている場合は、早めの医療機関への相談が重要です。
お子様の夜尿症でお困りの方は、ぜひ中目黒ブロッサムクリニックにご相談ください。当クリニックでは、夜尿症治療の経験豊富な専門医が、一人ひとりに合わせた治療プランをご提案いたします。
