包茎について。泌尿器科専門医が解説

男性の悩みの中でも、特にデリケートな問題である「包茎」。患者様の多くが「包茎が恥ずかしい」「夫婦生活に影響が出ている」「治療を受けたいけど、どこに相談すればいいのかわからない」といった悩みを抱えています。この記事では、泌尿器科専門医の視点から、包茎についての基本情報や原因、治療方法について詳しく解説します。
包茎とは?
包茎とは、陰茎の亀頭が包皮に覆われている状態を指します。日本の成人男性の中でも、包茎は非常に一般的です。包茎は大きく2つのタイプに分類されます。
- 仮性包茎:亀頭が包皮で覆われていますが、手で引っ張ることで亀頭を露出させることができます。程度によりますが、基本的には問題なく、恥垢がたまりやすいなど衛生面での問題があります。しかしながら、亀頭は粘膜でできており、非常にデリケートな部分なので、非勃起時に包皮が亀頭を守るという点ではメリットもあります。
- 真性包茎:包皮が亀頭に癒着しているか、包皮の開口部が狭いため、亀頭が露出しないタイプの包茎です。このタイプでは、感染症や炎症のリスクも高くなり、また勃起時に痛みを伴う事もおおく、治療が必要になります。
また、包茎という名前がつくものとしては、上記分類とは異なりますが、嵌頓包茎というものもあります。これは、仮性包茎の方が亀頭を露出させた後に、亀頭が包皮内に戻らなくなる状態です。包皮が亀頭を締めてしまい、血流がわるくなることで浮腫み、戻らない状態となります。痛みや腫れが生じ、そのまま放っておくと壊死する可能性があるため緊急の治療が必要です。この場合にはすぐに近くの泌尿器科を受診ください。
包茎の原因
包茎の原因は、主に以下の要因によります。
- 先天的要因:多くの包茎は生まれつきのもので、包皮が亀頭に対して過剰に発達しているためです。上述の通り、包茎自体は真性包茎でなければ、悪い点はほぼありません。
- 衛生管理の不十分さ:包茎の状態が続くと、包皮内部に汚れや皮脂が溜まりやすくなり、炎症や感染を引き起こす可能性があります。炎症が繰り返されると亀頭と包皮の間で癒着がおこり、包茎の状態が悪化することがあります。
- 後天的要因:まれに陰茎の腫瘍などにより包皮と亀頭が癒着し、もともとは包茎でなかったものが、新たに包茎になる場合があります。50代以降で急に包茎になったというような場合には注意が必要です。
包茎の予防方法
ここまでで何度も記述していますが、仮性包茎自体は悪いものではありません。大切なのは、衛生的に保つことです。
- 衛生管理の徹底:日常的に包皮を引っ張り、亀頭を露出させて洗浄することが最も効果的です。これにより、感染症のリスクを減らすことができます。亀頭を露出させる際に痛みが生じる場合には、泌尿器科への早期受診をおすすめします。
- 早期の診断と対応:気になった段階で早期に、医師の診断を受けることが重要です。特に真性包茎の場合、早期に対応することで、後々のトラブルを防ぐことができます。
包茎の治療方法
当院では、患者様一人ひとりに最適な治療法を提案しています。包茎の治療方法は、以下の通りです。
- 包茎手術(環状切開術):最も一般的な治療法で、麻酔科に包皮を部分的または全体的に切除します。医学的に必要があると認められれば、保険診療の適応が可能です。特別な理由がなければ自費クリニックを受診する必要はありません。泌尿器科医にとっては基本的な手術となりますので、泌尿器科の標榜があり、手術室を完備している総合病院であればどこでも対応が可能です。
- 切らない包茎治療:手術に抵抗がある方には、包茎の程度にもよりますが包皮を切らずに治療する方法もあります。ステロイド軟膏を用いた治療や、専門医によるカウンセリングを通じて、最適な方法を選択します。
- 術後ケアとフォローアップ:包茎手術後は、包皮に傷がついており感染、炎症を起こしやすい状態となるため、医師の指導のもと衛生的に保つ必要があります。
よくある質問(Q&A)
- 包茎手術の痛みはどの程度ですか?
- 麻酔を使用しての手術となりますので、手術時に痛みを感じることはほぼありません。麻酔導入の際に針を刺す痛みがあること、および、手術後に包皮にできた傷の痛みがあるくらいです。
- 包茎治療にかかる費用はどのくらいですか?
- 保険適応の場合には、手術代として20400円程度です。自費診療の場合は10−20万円程度となっています。
- 治療後の夫婦生活に影響はありますか?
- 真性包茎で勃起時に痛みがあった方には、治療後に改善が見られることが多いです。

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