男性不妊症:受診のタイミングと早めの検査の重要性

目次
導入:妊活は男性も主体的に考える時代
「妊活を始めたけれど、なかなか妊娠しない…」こうした悩みは女性だけの問題ではなく、男性側の原因も約半数を占めています。男性不妊は、早期に受診することで改善の可能性が広がる疾患です。今回は、受診のタイミングや検査の流れ、早めに行動するメリットについて解説します。
男性不妊症とは
男性不妊症とは、精子の量・運動率・形態に問題があり、妊娠が成立しにくい状態を指します。原因は多岐にわたります。
- 精巣や精子の問題: 精子の数や質が不十分な場合
- 精子の通過障害: 精管の閉塞や先天性欠損により精子が射精液に届かない場合
- ホルモン異常: テストステロンやFSH・LHのバランス異常
- 生活習慣・環境要因: 喫煙、過度の飲酒、睡眠不足、長時間の高温環境(サウナ・PC使用など)
これらの原因は一つだけでなく、複数が重なっていることもあります。
受診のタイミング
男性不妊の受診タイミングは、カップルの妊活開始からの期間や症状の有無によって変わります。
- 妊活を開始して1年経過しても妊娠しない場合: 女性側に明らかな問題がない場合、男性側の検査も早めに行うことが推奨されます。
- 早期受診が望ましいケース:
- 射精時の痛みや違和感
- 精液量の減少や色・粘度の変化
- 性欲や勃起力の低下
- 過去の精巣や陰嚢の病気(停留精巣、精索静脈瘤、感染症)
- 妊活前に検査を希望する場合: 年齢や生活習慣が気になる方は、妊活前に一度精液検査を受けることで早期改善が可能です。
「若いから大丈夫」と油断せず、生活習慣に不安がある方や妊活を考えている段階でも相談することが望ましいです。近年ではブライダルチェックとして精液検査やエコー検査、性病検査などを行う方も増えています。30代後半以上の方で妊活を考えている男性は、ぜひ一度検査をしていただければと思います。
精液検査の流れと内容
精液検査は男性不妊の診断において基本的な検査です。主に以下を確認します。
- 精液量: 射精量が少ない場合は精嚢や射精経路に問題がある可能性
- 精子濃度・総数: 精子数の少なさは妊娠しにくさにつながります
- 運動率: 精子がどれだけ活発に動くかを評価
- 形態: 受精能力に影響する精子の形を確認
精液の状態は日によって変動するため、複数回の検査で正確な評価を行うこともあります。
受診のメリット
- 原因を早期に特定できる
- 生活習慣改善や治療法の選択肢が広がる
- 精子の状態やホルモンバランスを客観的に確認できる
- 不安や疑問を医師に相談できる
当院でのサポート
中目黒ブロッサムクリニックでは、男性不妊に関する精液検査・ホルモン検査を行い、必要に応じて生活改善や治療法を提案しています。手術や生殖補助医療(ART)が必要な場合は、連携医療機関への紹介も可能です。患者さま一人ひとりに合わせた丁寧なサポートを心掛けています。
まとめ:受診のタイミングとポイント
- 妊活を1年続けても妊娠しない場合は男性側の検査を早めに行う
- 射精時の違和感や精液量の変化など、初期症状がある場合は早期受診を推奨
- 精液検査で原因を特定することで、適切な治療・生活改善が可能
- 妊活前でも不安がある場合は、早めの相談が将来の妊娠成功につながる
- 生活習慣改善や必要に応じた治療で、妊娠の可能性を高められる


