尿失禁の種類と治療:腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁の違い:泌尿器科医が解説

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尿失禁に心当たりはありませんか
「咳やくしゃみをしたときに尿が漏れる」「急に強い尿意を感じてトイレまで間に合わない」。このような症状は尿失禁のサインかもしれません。デリケートな問題のため相談が遅れがちですが、放置すると生活の質を大きく低下させることがあります。本記事では腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁について解説します。
尿失禁とは
尿失禁とは、本人の意思とは関係なく尿が漏れてしまう状態の総称です。外出への不安、睡眠障害、皮膚トラブル、抑うつ状態など、心身にさまざまな影響を及ぼすことがあります。日常診療で多いのが腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁です。
腹圧性尿失禁とは
腹圧性尿失禁は、咳やくしゃみ、笑う、重い物を持つなど腹圧がかかる動作で尿が漏れるタイプです。骨盤底筋や尿道括約筋の機能低下が主な原因で、女性では妊娠・出産や加齢、男性では前立腺手術後にみられることがあります。
切迫性尿失禁とは
切迫性尿失禁は、突然強い尿意を感じ、我慢できずに漏れてしまうタイプです。過活動膀胱が関与することが多く、加齢、神経疾患、脳血管障害、糖尿病、前立腺肥大症などが背景にある場合があります。
腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁の違い
- 腹圧性尿失禁:腹圧がかかる動作で漏れる。骨盤底筋のゆるみが中心。
- 切迫性尿失禁:強い尿意とともに漏れる。膀胱の過剰収縮が中心。
- 両者が混在する混合性尿失禁も存在します。
診断・検査
- 問診:症状の出る場面や頻度を確認
- 尿検査:感染症や血尿の有無
- 残尿測定:排尿後の膀胱内残尿量を評価
- 排尿日誌:排尿パターンの把握
治療内容:腹圧性尿失禁
治療の基本は骨盤底筋トレーニングです。継続により徐々に改善が期待できます。症状が強い場合は、専門的な骨盤底筋訓練、物理療法、手術療法を検討することもあります。
治療内容:切迫性尿失禁
- 行動療法・生活指導:膀胱訓練、水分摂取の調整
- 薬物療法:膀胱の過剰な収縮を抑える薬剤
日常生活での工夫
寝る前の水分摂取を控える、便秘改善、体重管理なども症状軽減につながります。極端な水分制限は避け、医師の指導のもと調整しましょう。
当院での対応
中目黒ブロッサムクリニックでは、丁寧な問診と検査を行い、薬物療法、生活指導、必要に応じた専門医療機関への紹介まで包括的に対応しています。
まとめ・受診案内
- 尿失禁は適切な診断と治療で改善が期待できます。
- 腹圧性と切迫性では原因と治療法が異なります。
- 自己判断せず、専門医への相談が重要です。


