精索静脈瘤とは?原因・症状・治療法を泌尿器科専門医が解説

ブログサムネイル

こんな悩みはありませんか?

「最近、陰嚢が重く感じる」「不妊治療を始めたけど精子の状態が心配」――そのような症状や悩みは、精索静脈瘤という病気のサインかもしれません。精索静脈瘤は男性に比較的多く見られる病気で、特に20〜40代の男性で不妊の原因として指摘されることがあります。多くの場合、自覚症状が軽いため放置されやすいですが、適切に診断・治療することで症状の改善や不妊対策につながります。

精索静脈瘤の背景と原因

精索静脈瘤とは、精巣から心臓に向かう血管(精索静脈)が拡張し、逆流や血液うっ滞が生じる状態です。血液が滞ることで、陰嚢内の温度が上昇し精子の生成に影響を与えることがあります。原因としては以下の通りです。

  1. 静脈弁の機能不全
    精索静脈にある弁が正常に働かず、血液が逆流することで血管が拡張します。
  2. 解剖学的要因
    左側の腎静脈と精索静脈の角度や位置関係により、左側に発症しやすい傾向があります。
  3. 遺伝的要素や体格
    長身の男性や家族に精索静脈瘤のある方にやや多く見られます。

考えられる症状

精索静脈瘤は症状が軽く、気付かない場合も多いですが、次のような症状が現れることがあります。

  • 陰嚢のだるさや重さ
  • 精巣の小ささや左右差
  • 長時間立っていると陰嚢が腫れぼったく感じる
  • 不妊症が指摘される場合も

※症状が軽くても、精液検査で精子の状態に影響が出ることがあります。

診断・検査

精索静脈瘤の診断には、主に以下の方法が用いられます。

  1. 視診・触診
    陰嚢を立位で観察し、血管のふくらみを確認します。軽度の場合は触診でしか分からないこともあります。
  2. 超音波(ドップラー)検査
    血流の逆流や静脈径の拡張を詳しく調べ、精索静脈瘤の有無や程度を評価します。
  3. 精液検査
    不妊症の疑いがある場合、精子の数や運動率を確認します。

治療内容(生活指導・手術)

精索静脈瘤は全てのケースで治療が必要なわけではありません。軽度で症状がなく、精子の状態も問題ない場合は経過観察が基本です。治療が検討されるのは次のような場合です。

  • 精液検査で精子の質が低下している
  • 陰嚢の腫れや重さが強く日常生活に影響
  • 将来的な不妊リスクを改善したい場合

治療法は主に手術による血管結紮・塞栓術です。最近では低侵襲なマイクロサージャリーや血管内塞栓術も行われています。治療により血流が改善され、精子の状態や陰嚢の症状が改善する可能性があります。

当院での対応

中目黒ブロッサムクリニックでは、精索静脈瘤の診断から治療まで一貫して対応しています。

  • 超音波検査による正確な診断
  • 精液検査による不妊リスク評価
  • 手術が必要な場合の適切な医療機関への紹介

患者さまの症状やライフプランに合わせ、最適な治療方針をご提案しています。

まとめ・受診案内

  • 精索静脈瘤は軽度では自覚症状が少ないこともありますが、不妊症や陰嚢の違和感の原因になることがあります。
  • 主な症状は陰嚢のだるさ・重さや精巣の左右差です。
  • 診断は触診・超音波・精液検査で行います。
  • 治療は症状や精子の状態に応じて経過観察か手術となります。
  • 気になる症状がある方は、早めの泌尿器科受診をおすすめします。

予約案内のイメージ画像

ご予約はこちらから


泌尿器科症状でお困りの方は当院までご相談くださいませ。

ご予約はこちらから