男性のマイコプラズマ尿道炎とは

男性の尿道違和感が続くときに考えるマイコプラズマ尿道炎
尿道の違和感、排尿時のしみる感じ、尿道からの分泌物などが続くと、「クラミジアではないか」「淋菌ではないか」と不安になる方は少なくありません。実際に、男性の尿道炎ではクラミジアや淋菌がよく知られています。
一方で、クラミジアや淋菌の検査では原因がはっきりしない場合や、治療後も症状が続く場合には、マイコプラズマ・ジェニタリウムという細菌が関係していることがあります。米国CDCは、Mycoplasma genitaliumが男性の非淋菌性尿道炎や持続・再発する尿道炎の一因になると説明しています。
本記事では、男性のマイコプラズマ尿道炎について、症状、クラミジア・淋菌との違い、検査、治療の考え方を整理します。
尿道違和感が続く場合、尿道炎が関係することがあります
男性で尿道の違和感が続く場合、まず考える必要があるのは尿道炎です。尿道炎とは、尿が通る管である尿道に炎症が起こっている状態です。原因には、性感染症、細菌感染、刺激、外傷、前立腺や膀胱の病気など、複数の可能性があります。
尿道炎のなかでも、淋菌が原因のものを淋菌性尿道炎、淋菌以外が原因のものを非淋菌性尿道炎と呼びます。非淋菌性尿道炎では、クラミジア・トラコマティスのほか、マイコプラズマ・ジェニタリウムなどが関係することがあります。日本性感染症学会の資料でも、非淋菌性尿道炎の診断・治療の流れの中で、クラミジアとマイコプラズマ・ジェニタリウムの核酸増幅法検査が示されています。
ただし、尿道違和感があるからといって、必ず性感染症とは限りません。症状の経過、性行為歴、尿検査、分泌物の有無、ほかの症状を含めて確認することが大切です。
マイコプラズマ尿道炎とは
マイコプラズマ尿道炎とは、主にMycoplasma genitaliumという細菌が尿道に感染し、炎症を起こす状態を指します。一般に「マイコプラズマ」と聞くと、肺炎を起こすマイコプラズマ肺炎を思い浮かべる方もいますが、尿道炎で問題になるのは主に性器マイコプラズマです。マイコプラズマは、細胞壁を持たない細菌です。そのため、細胞壁に作用するタイプの抗菌薬では効果が期待しにくいという特徴があります。治療薬の選択は、原因菌、症状、検査結果、薬剤耐性の可能性などを踏まえて医師が判断します。
重要なのは、尿道の違和感だけで原因菌を決めつけることはできないという点です。クラミジア、淋菌、マイコプラズマ、その他の原因を区別するには、診察と検査が必要になります。
男性にみられる主な症状
マイコプラズマ尿道炎では、症状がはっきり出る場合もあれば、比較的軽い違和感にとどまる場合もあります。男性では排尿時の灼熱感や、陰茎からの分泌物がみられることがあります。
代表的な症状には、次のようなものがあります。
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排尿時にしみる、痛む
排尿の始めや終わりに、尿道がしみるように感じることがあります。痛みが強い場合もあれば、軽い違和感程度のこともあります。
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尿道のむずむず感、かゆみ、違和感
はっきりした痛みではなく、尿道の奥が気になる、むずむずする、すっきりしないと表現されることもあります。
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尿道からの分泌物
透明、白っぽい、粘液状などの分泌物がみられることがあります。ただし、分泌物が目立たない場合もあります。
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症状が長引く、再発する
クラミジアや淋菌の検査が陰性でも症状が続く場合や、治療後に再び症状が出る場合には、マイコプラズマ・ジェニタリウムを含めた再評価が検討されます。CDCも、治療後に症状が持続または再発する男性では、再評価とMycoplasma genitaliumなどの検査を検討するとしています。
症状の程度だけで、原因菌を見分けることは困難です。軽い違和感でも、性感染症が関係している場合があります。
クラミジア・淋菌による尿道炎との違い
男性の尿道炎で特に比較されるのが、クラミジア尿道炎、淋菌性尿道炎、マイコプラズマ尿道炎です。症状には重なりがあるため、診察だけで明確に区別できない場合があります。
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クラミジア尿道炎
比較的症状が軽いこともあり、違和感や軽い排尿時痛で気づく場合があります。症状が乏しくても感染していることがあります。
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淋菌性尿道炎
排尿時痛が強い、膿のような分泌物が出るなど、症状が比較的はっきり出ることがあります。症状が強い場合でも、検査で確認する必要があります。
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マイコプラズマ尿道炎
クラミジア・淋菌が陰性でも、尿道炎症状が続く場合に関係することがあります。薬剤耐性や治療後の症状持続が問題になることがあります。
クラミジア尿道炎との違い
クラミジア尿道炎は、男性の非淋菌性尿道炎の代表的な原因です。症状は比較的軽いこともあり、排尿時の違和感、尿道のむずむず感、少量の分泌物などで気づくことがあります。
マイコプラズマ尿道炎も、症状だけではクラミジア尿道炎と似ていることがあります。そのため、尿道炎症状がある場合には、クラミジアだけでなく、マイコプラズマ・ジェニタリウムの検査を検討する流れが示されています。
淋菌性尿道炎との違い
淋菌性尿道炎では、強い排尿時痛や膿性の分泌物など、比較的はっきりした症状がみられることがあります。ただし、症状の強さだけで淋菌かどうかを判断することはできません。
淋菌性尿道炎が疑われる場合には、淋菌を対象とした検査と治療が必要です。日本性感染症学会の非淋菌性尿道炎の流れでは、淋菌性尿道炎が否定された場合、または非淋菌性尿道炎が強く疑われる場合に、クラミジアやマイコプラズマ・ジェニタリウムの検査が示されています。
検査をしないと原因を区別しにくい理由
尿道炎の症状は、原因菌が違っても似ることがあります。排尿時痛、尿道違和感、分泌物といった症状だけでは、クラミジア、淋菌、マイコプラズマを正確に区別することはできません。
そのため、症状が続く場合は、自己判断で市販薬や残っている抗菌薬を使うのではなく、検査で原因を確認することが重要です。不適切な抗菌薬使用は、症状の長期化や薬剤耐性の問題につながる可能性があります。
マイコプラズマ尿道炎の検査
マイコプラズマ・ジェニタリウムの検査では、核酸増幅検査が用いられることがあります。核酸増幅検査は、原因微生物に特有の遺伝物質を検出する検査です。尿道などから採取した検体で核酸増幅検査を行い、マイコプラズマを特定することがあります。
検査で確認する内容は、症状や経過によって異なります。一般的には、以下のような点を確認します。
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尿道炎が本当にあるか
尿検査、尿道分泌物の有無、炎症所見などを確認します。症状だけで尿道炎と判断しないことが大切です。
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クラミジアや淋菌が関係していないか
男性の尿道炎では、クラミジアや淋菌も重要な原因です。必要に応じて、これらの検査も検討されます。
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マイコプラズマ・ジェニタリウムが関係していないか
クラミジアや淋菌が陰性でも症状が続く場合、または非淋菌性尿道炎が疑われる場合には、マイコプラズマの検査が検討されます。
治療の考え方と注意点
マイコプラズマ尿道炎の治療では、原因菌や症状、検査結果、治療歴を踏まえて抗菌薬が検討されます。マイコプラズマは細胞壁を持たないため、抗菌薬の選択には注意が必要です。マイコプラズマ感染症の治療薬として、アジスロマイシン、ドキシサイクリン、レボフロキサシンまたはモキシフロキサシンなどが挙げられます。
自己判断で抗菌薬を中断したり、以前処方された薬を使ったりすることは避けてください。症状が一時的に軽くなっても、原因が残っている場合や、別の感染症が関係している場合があります。
パートナーへの対応と再感染予防
性感染症が疑われる場合、本人だけでなくパートナーへの対応も重要です。治療を受けても、パートナーが感染している場合には、再感染が起こる可能性があります。
非淋菌性尿道炎の治療中は、本人とパートナーの治療が完了し、症状が改善するまで性交渉を控えることを推奨しています。また、男性の非淋菌性尿道炎では、HIVや梅毒の検査も考慮するとしています。
パートナーに症状がない場合でも、感染している可能性があります。検査や受診の必要性については、医師に相談してください。
受診を検討した方がよい症状
尿道の違和感が一時的で、すぐに改善する場合もあります。しかし、次のような場合には、泌尿器科などで相談することを検討してください。
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排尿時の痛みやしみる感じが続く
数日以上続く場合や、徐々に強くなる場合は、尿道炎や膀胱炎などの確認が必要になることがあります。
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尿道から分泌物が出る
透明、白色、黄色っぽい分泌物がある場合は、性感染症を含めた検査が検討されます。
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クラミジアや淋菌の検査が陰性でも症状が続く
マイコプラズマ・ジェニタリウムなど、ほかの原因を確認する必要がある場合があります。
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性感染症が疑われる接触があった
症状が軽くても、感染の可能性がある場合には検査を検討してください。
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精巣の痛みや腫れ、発熱、強い下腹部痛がある
精巣上体炎など、早めの診察が必要な病気が関係することがあります。
尿道炎は、症状だけで原因を決めることが難しい病気です。違和感が続く場合は、自己判断で様子を見続けず、原因を確認することが大切です。
中目黒ブロッサムクリニックでの相談について
中目黒ブロッサムクリニックでは、泌尿器科の症状についてご相談いただけます。尿道違和感、排尿時痛、尿道分泌物、性感染症が疑われる症状などがある場合は、症状や経過を確認したうえで、必要に応じて検査や治療方針を検討します。
中目黒周辺で泌尿器科の症状について相談したい方は、気になる症状が続く場合に受診をご検討ください。
重要ポイントまとめ
- 男性の尿道違和感が続く場合、尿道炎が関係していることがあります。
- 尿道炎の原因には、クラミジア、淋菌、マイコプラズマ・ジェニタリウムなどがあります。
- マイコプラズマ尿道炎は、クラミジアや淋菌が陰性でも症状が続く場合に検討されることがあります。
- 症状だけで原因菌を区別することは難しく、診察と検査が重要です。
- 治療では抗菌薬が検討されますが、薬剤の選択は医師の判断が必要です。
- パートナーへの対応や再感染予防も大切です。
- 尿道違和感、排尿時痛、分泌物が続く場合は、泌尿器科での相談をご検討ください。


