EDの診断を行う際のツール「IIEF（国際勃起機能スコア）」とは？
目次
検査が必要となるシチュエーション
「最近、性的な機能に自信が持てなくなった」「パートナーとの関係が気まずくなってきた」──こうしたお悩みを抱える男性は少なくありません。しかし、デリケートな話題であるがゆえに、医療機関への相談をためらってしまう方も多いのが現実です。EDは単なる性の問題ではなく、生活習慣病やホルモン異常、ストレスなど多様な背景を持つ疾患です。
IIEFとは？その概要と背景
IIEF（国際勃起機能スコア）は、米国で開発されたED診断のための国際的な質問票です。1997年にPfizer社の支援を受けて開発され、現在では世界中の臨床現場で使用される標準的なスクリーニングツールです。患者の主観的な症状を数値化することで、治療方針の立案や経過観察に有効です。日本泌尿器科学会ガイドライン（PDF）も参照可能です。
質問項目と診断の流れ
IIEF-5は、過去6か月間の性的活動について、以下の5つの質問で構成されています。各設問は1〜5点で採点され、合計点によりEDの重症度を分類します。
- 勃起に必要な刺激で、どの程度勃起しましたか？
- 性交時、勃起を維持する自信はどの程度ありますか？
- 性交中、勃起を維持できましたか？
- 性交を満足に完了できる頻度はどの程度ですか？
- 性交に満足しましたか？
合計スコアの評価：
- 22〜25点：正常
- 17〜21点：軽度ED
- 12〜16点：軽度〜中等度ED
- 8〜11点：中等度ED
- 5〜7点：重度ED
保険適用や費用に関する情報
IIEFの記入自体に保険点数はありませんが、診断の一環として初診・再診料に含まれます。ED治療薬は原則として自由診療となり、事前の料金説明を徹底しております。
当院での実施可否と診療の流れ
当院では初診時にIIEFをご記入いただき、その後、医師による問診と必要に応じた検査（血糖・ホルモン・血圧など）を行います。その結果に基づき、治療薬の処方や生活習慣改善指導など、個別の治療方針をご提案します。
よくある質問（FAQ）
- Q1：IIEFは匿名で受けられますか？
A：診療記録のため匿名では受けられませんが、当院ではプライバシーを重視し、完全個室での対応を行っております。 - Q2：一時的なストレスかもしれませんが、IIEFは有効ですか？
A：はい。有効です。IIEFは慢性・一過性の見極めにも有用です。 - Q3：スコアが低かった場合、すぐに薬が出るのですか？
A：必ずしも薬だけが選択肢ではありません。生活習慣の見直しや心理的アプローチも含めた診療を行います。
まとめ
IIEFは、EDの重症度を可視化し、医師との適切なコミュニケーションを促進する信頼性の高いツールです。当院ではこの評価法を初診時から導入し、精密な診断と個別性の高い治療を提供しております。EDは早期の相談と治療が鍵となります。安心してご相談ください。
