血圧が高い原因は何ですか?高血圧の基本

高血圧は生活習慣と体質が重なって起こることがあります
血圧が高いと言われると、「塩分のとりすぎが原因ですか」「ストレスのせいですか」「家族に高血圧の人がいるから仕方ないのでしょうか」と考える方は少なくありません。実際には、高血圧の原因は一つだけで決まるとは限らず、生活習慣、体質、年齢、ほかの病気などが重なって起こることがあります。
日本人の高血圧では、食塩の過剰摂取が重要な要因とされており、肥満、飲酒、運動不足、ストレス、遺伝的体質なども関係するとされています。
高血圧とはどのような状態か
高血圧とは、血管の中を流れる血液の圧力が高い状態が続くことをいいます。診察室で測る血圧では、収縮期血圧が140mmHg以上、または拡張期血圧が90mmHg以上の場合に高血圧と診断されます。家庭血圧では、診察室より低い基準が用いられ、135/85mmHg以上が高血圧の目安とされています。
血圧は、運動、緊張、睡眠不足、寒さ、測定前の喫煙やカフェイン摂取などでも一時的に変動します。そのため、1回だけ高い数値が出たからといって、直ちに高血圧症と決まるわけではありません。大切なのは、血圧が高い状態が繰り返し確認されるかどうかです。
原因が一つに決まらないことも多い
高血圧には、大きく分けて本態性高血圧と二次性高血圧があります。本態性高血圧は、特定の一つの病気だけが原因ではなく、食塩の過剰摂取、肥満、飲酒、運動不足、ストレス、遺伝的体質などが組み合わさって起こると考えられています。日本人の高血圧の多くは、この本態性高血圧に該当するとされています。
一方で、甲状腺、副腎、腎臓の病気、睡眠時無呼吸症候群などが背景にあり、その結果として血圧が上がる場合もあります。このような高血圧は二次性高血圧と呼ばれます。
そのため、「塩分を控えれば必ず改善する」「ストレスだけが原因である」と単純に決めつけるのは適切ではありません。血圧が高い状態が続く場合は、生活習慣だけでなく、体質や病気の可能性も含めて確認することが重要です。
高血圧に関係しやすい生活習慣
高血圧は、生活習慣と深く関係する病気の一つです。生活習慣病は、食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒などが発症や進行に関与する疾患群とされますが、同時に遺伝的要因や社会環境要因なども影響する点に配慮が必要です。
高血圧の場合も、「本人の努力不足」と考えるべきではありません。生活習慣を見直すことは大切ですが、体質や年齢、仕事環境、睡眠状況なども含めて、現実的に続けられる対策を考えることが必要です。
塩分のとりすぎ
日本人の高血圧で特に重要とされるのが、食塩のとりすぎです。厚生労働省の情報でも、日本人の高血圧の最大の原因は食塩のとりすぎとされています。
食塩を多くとると、体内の水分量や血管への負担に影響し、血圧が上がりやすくなることがあります。日本の食生活では、味噌汁、漬物、麺類の汁、加工食品、外食、惣菜などから食塩を多くとりやすい傾向があります。
減塩というと、すべてを薄味にしなければならないと考えがちです。しかし実際には、まず次のような工夫から始めるだけでも、食塩摂取量を減らしやすくなります。
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麺類の汁を全部飲まない
ラーメンやうどん、そばの汁には食塩が多く含まれることがあります。汁を残すだけでも、食塩摂取を抑える工夫になります。
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しょうゆやソースを「かける」から「つける」に変える
調味料を直接かける習慣があると、量が多くなりやすくなります。小皿に出して少量をつける形にすると、使用量を調整しやすくなります。
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加工食品や外食の頻度を見直す
ハム、ソーセージ、練り物、惣菜、弁当、外食は食塩が多くなりやすいことがあります。栄養成分表示を確認する習慣も有用です。
食塩摂取の目標については、健康日本21などの一般的な目標値や、日本高血圧学会が高血圧患者に推奨する減塩目標が示されています。ただし、腎臓病や心不全などがある方では、食事制限の内容が変わることがあるため、自己判断で極端な制限をするのではなく、医師の指示に沿うことが大切です。
肥満と運動不足
肥満も高血圧に関係します。特に若年・中年の男性では、肥満が原因となる高血圧も増えているとされています。
体重が増えると、体が必要とする血液量や心臓への負担が増え、血圧が上がりやすくなることがあります。また、内臓脂肪が増えると、血糖値、脂質、尿酸値などにも影響し、動脈硬化のリスクが重なりやすくなります。
運動不足も、高血圧と関係しやすい生活習慣です。運動には、体重管理、血糖や脂質代謝の改善、ストレス軽減など、複数の面から血圧管理を支える働きが期待されます。ただし、血圧が非常に高い場合や、胸痛・息切れ・動悸などがある場合は、自己判断で急に強い運動を始めるのは避け、医師に相談してください。
飲酒習慣
飲酒も血圧に影響します。厚生労働省の情報では、飲酒は運動不足などとともに高血圧の原因として挙げられています。
アルコールは、一時的には血管を広げるように感じられることもありますが、習慣的な多量飲酒は血圧を上げる方向に働くことがあります。また、飲酒量が増えると、つまみや外食による塩分摂取、睡眠の質の低下、体重増加にもつながりやすくなります。
「お酒だけが原因」とは限りませんが、健診で血圧を指摘された方は、飲酒量、飲む頻度、休肝日の有無、飲酒時の食事内容を一度確認しておくとよいでしょう。
ストレスと睡眠不足
ストレスや睡眠不足も、血圧に影響することがあります。本態性高血圧では、食塩、肥満、飲酒、運動不足に加えて、ストレスや遺伝的体質も組み合わさって関係するとされています。
緊張したとき、仕事が忙しいとき、睡眠が不足しているときに、一時的に血圧が上がることはあります。しかし、ストレスだけで高血圧を説明できるとは限りません。ストレスが多い生活では、飲酒量が増える、食事が乱れる、運動量が減る、睡眠の質が下がるなど、ほかの生活習慣も同時に崩れやすくなります。
「ストレスのせいだから仕方ない」と考えて血圧の確認をやめてしまうのは避けましょう。血圧が高い状態が続く場合は、生活背景も含めて医療機関で相談することが大切です。
生活習慣だけでは説明できない高血圧もあります
高血圧は生活習慣病の一つとして扱われますが、生活習慣だけで説明できるとは限りません。厚生労働省の生活習慣病に関する説明でも、発症には生活習慣だけでなく、遺伝的要因や社会環境要因など複数の要因が影響する点への配慮が必要とされています。
体質・遺伝・加齢の影響
家族に高血圧の方がいる場合、本人も高血圧になりやすい体質を持っている可能性があります。ただし、遺伝的な体質があるからといって、必ず高血圧になるわけではありません。食事、運動、飲酒、体重、睡眠、ストレスなどの要因が重なって、血圧が上がりやすくなると考える方が現実的です。
また、加齢に伴って血管のしなやかさが低下すると、収縮期血圧が上がりやすくなることがあります。若い頃は血圧に問題がなかった方でも、中年以降に健診で血圧高値を指摘されることは珍しくありません。
この場合も、「年齢のせいだから仕方ない」と放置するのではなく、家庭血圧を確認し、必要に応じて医師と管理方法を相談することが重要です。
病気が原因で血圧が上がる二次性高血圧
高血圧の中には、別の病気が原因で起こる二次性高血圧があります。甲状腺や副腎などの病気、睡眠時無呼吸症候群などが二次性高血圧に関係することがあります。
特に、若い年齢で急に血圧が高くなった場合、これまで安定していた血圧が急に上がった場合、薬を使っても血圧が下がりにくい場合、いびきや日中の強い眠気を伴う場合などは、背景に別の原因がないか確認が必要になることがあります。
生活習慣を見直しても血圧が高い状態が続く場合は、自己判断で様子を見続けず、医師に相談してください。
血圧が高いと言われたときに確認したいこと
健診で血圧が高いと言われた場合、まず大切なのは、血圧を正しく測り、記録することです。診察室での血圧は緊張や移動直後の影響を受けることがあります。一方、家庭血圧は日常生活に近い状態での血圧を把握しやすいという利点があります。
家庭血圧を記録する
家庭血圧を測る場合は、できるだけ同じ条件で測定することが大切です。一般的には、朝と夜に測定し、測定時刻、血圧、脈拍、体調、服薬状況などを記録しておくと、診察時に状況を把握しやすくなります。
血圧は日々変動します。そのため、1回の数値だけで判断するのではなく、数日から数週間の傾向を見ることが重要です。家庭血圧では、診察室血圧より低い基準が用いられ、135/85mmHg以上が高血圧の目安とされています。
受診を検討した方がよい目安
血圧が高いと言われても、すべての方がすぐに薬物治療を必要とするわけではありません。ただし、次のような場合は、医療機関で相談することをおすすめします。
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健診で血圧高値を繰り返し指摘されている
一時的な上昇ではなく、継続的に高い可能性があります。家庭血圧の記録を持参すると、診察で判断しやすくなります。
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家庭血圧で高い数値が続いている
家庭血圧は日常の状態を反映しやすいため、継続的に高い場合は確認が必要です。
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頭痛、胸痛、息切れ、動悸、むくみなどがある
これらの症状は高血圧だけで説明できるとは限りません。症状がある場合は、早めに医師へ相談してください。
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若い年齢で急に血圧が高くなった
二次性高血圧など、背景に別の原因がないか確認が必要になることがあります。
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すでに治療中だが血圧が安定しない
薬の内容、服薬状況、生活習慣、他の病気の影響を含めて見直す必要があります。
強い胸痛、息苦しさ、片側の手足の動かしにくさ、ろれつが回らない、激しい頭痛などがある場合は、通常の外来受診を待たず、救急受診が必要になることがあります。
中目黒ブロッサムクリニックでの相談について
中目黒ブロッサムクリニックでは、内科の診療領域として、高血圧症や生活習慣病に関する相談を行います。ただし、具体的な検査内容、費用、治療薬、対応可能な範囲については、症状や診察内容によって異なります。
内科で血圧や生活習慣を確認します
血圧が高いと言われた場合、診察では、健診結果、家庭血圧の記録、体重変化、食事内容、飲酒量、運動習慣、睡眠状況、ストレス、喫煙、家族歴、現在使用している薬などを確認します。
高血圧は、生活習慣だけでなく体質や他の病気も関係することがあります。そのため、生活指導だけでよいのか、追加の検査が必要か、薬物治療を検討する段階かは、診察のうえで判断します。
必要に応じて検査や治療方針を検討します
血圧が高い状態が続いている場合、必要に応じて血液検査、尿検査、心電図などを検討することがあります。ただし、実施する検査は患者さんの状態や医師の判断によって異なります。
また、血圧管理では、食事、体重、運動、飲酒、睡眠などの見直しに加えて、必要に応じて薬物治療を組み合わせることがあります。治療の要否や目標値は、年齢、持病、臓器障害の有無、家庭血圧の状況などによって変わります。
気になる血圧の高値が続く場合は、自己判断で放置せず、内科での相談をご検討ください。
まとめ
高血圧の原因は、塩分、肥満、飲酒、運動不足、ストレスなどの生活習慣だけでなく、体質、遺伝、加齢、他の病気が関係することもあります。特に日本人では、食塩のとりすぎが重要な要因とされています。
一方で、生活習慣病は本人の責任だけで説明できるものではなく、遺伝的要因や社会環境要因も関係します。血圧が高いと言われた場合は、家庭血圧を記録し、数値の傾向を確認することが大切です。
血圧が高い状態が続く場合や、症状を伴う場合、若い年齢で急に血圧が上がった場合は、医療機関で相談してください。
重要ポイントまとめ
- 高血圧の原因は一つではなく、生活習慣と体質が重なって起こることがあります。
- 日本人の高血圧では、食塩のとりすぎが特に重要な要因とされています。
- 肥満、運動不足、飲酒、ストレス、睡眠不足も血圧に影響することがあります。
- 家族歴、加齢、遺伝的体質など、生活習慣だけでは説明できない要因もあります。
- 甲状腺、副腎、腎臓、睡眠時無呼吸症候群などが関係する二次性高血圧もあります。
- 健診や家庭血圧で高い状態が続く場合は、記録を持参して医師に相談することが大切です。
- 胸痛、息切れ、強い頭痛、手足の動かしにくさなどを伴う場合は、早めの医療対応が必要です。


